Adobe Illustrator

Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)は、アドビシステムズが販売するベクターイメージ編集ソフトウェア(ドローソフト)です。DTPオペレーターの皆さんにはお馴染みのソフトですね。

イラスト制作は勿論のこと、ロゴタイプや図面、広告、パッケージなどをデザインする描画ツールソフトとして、印刷業界などあらゆる分野で使用されている。特にDTP業界においては印刷物(チラシや小冊子)制作ソフトとしてはデファクトスタンダードとなっていて、デザイナーはAdobe Photoshopと併せて使用する場合も多い。また、プラグインを追加することで、CADや3DCG機能などを拡張することもできるので、様々な分野のクリエイターが使用している。

類似ソフト

2005年にAdobeに買収されたために開発停止になったMacromedia FreeHand、Windows 定番のドローツールでAI形式にも対応しているCorelDRAW、Photoshopのような機能も併せ持ったCanvas、フリーソフトのInkscapeがある。

イラレの変遷

もとはアドビシステムズ社内用のフォント制作・PostScript編集ソフトウェアであったが、1986年にMacintosh版が一般向けにリリース。1988年には、多くの新しい機能を導入したIllustrator 88(バージョン 1.6)がリリースされた。日本語版も発売されたが、88としての記述はなかった。

1989年に、バージョン 2.0 Windows版をリリースし、1992年に、バージョン 4.0 Windows 版をリリースしたがWindows定番のCorelDRAWの影に潜む結果になった。 Macintosh版はバージョン 3.0、5.0、5.5、6.0と順調に販売していった。 バージョン 7.0からはMacintosh版、Windows版両方販売した。

バージョン 9.0からはアピアランスの要素や効果の機能が付き大幅にパワーアップした。しかしその反面、まだ古いバージョンを使用しているユーザーとのデータ変換に 多くの人が悩まされている。例えば、使用頻度の多い「透明」の要素、「スタイライズ」機能などが使用できるようになったため、8.0以前のユーザーには、 その部分を加工するか、変換をして渡さないといけなくなった。

バージョン 10.0はシリーズ中で唯一、Mac OS9とXの双方に対応している。

2003年にリリースされたCS(バージョン 11)からは、Mac OS X以上でないと使用できなくなり、Mac OS 9以前のユーザーは今でも8.0などのバージョンを使用している。PostScriptによる3Dモデリング機能が追加された。

2005年、CS2(バージョン 12)をリリース。ビットマップ画像をベクトル画像に変換する「ライブトレース」機能などが追加された。

2007年、CS3(バージョン 13)をリリース。「ライブカラー」や「消しゴムツール」、アンカーポイントを強調表示する機能などが追加された。

2008年、CS4(バージョン 14)をリリース。複数のアートボード、タブウィンドウが使えるようになった。

2010年、CS5(バージョン 15)をリリース。「遠近グリッド」や「絵筆ブラシ」などの機能を追加した。

2012年、CS6をリリース。64bitに対応、線にグラデーションが付けられるようになった。

パッケージデザインとソフト起動時の画面は、バージョン10まではサンドロ・ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」をモチーフにしたものであったが、CS1(11)およびCS2(12)は「スタイリッシュ」な花に一新された。その後にリリースされたCS3(13)、CS4(14)、CS5(15)ではオレンジ色のグラデーションが使用された画面になっている。

また、CS2(12)から不正利用を防止する目的でアクティベーション(認証)が導入された。

インデの色々

リリース履歴

バージョン プラットフォーム 発売日 コードネーム
1.0 Mac OS 1987年1月 Picasso
1.1 Mac OS 1987年3月 Inca
88 (1.6) Mac OS 1988年3月
2.0 Windows 1989年1月 Pinnacle
3 Mac OS、NeXT Step、他のUnix 1990年10月 Desert Moose
3.5 SGI 1991年
4 Windows 1992年5月 Kangaroose
3.5 Solaris 1993年
5 Mac OS 1993年6月 Saturn
5.5 Mac OS 1994年6月 Janus
4.1 Windows 1995年 Pavel
6 Mac OS 1996年2月 Popeye
7 Mac OS/Windows 1997年5月 Simba
8 Mac OS/Windows 1998年9月 Elvis
9 Mac OS/Windows 2000年6月 Matisse
10 Mac OS・Mac OS X/Windows 2001年11月 Paloma
CS(1) (11) Mac OS X/Windows 2003年10月 Pangaea/Sprinkles
CS2 (12) Mac OS X/Windows 2005年4月27日 Zodiac
CS3 (13) Mac OS X/Windows 2007年6月22日 Jason
CS4 (14) Mac OS X/Windows 2008年12月19日 Sonnet
CS5 (15) Mac OS X/Windows 2010年5月28日 Ajanta
CS5.1 (15.1) Mac OS X/Windows 2011年5月20日
CS6 Mac OS X/Windows 2012年5月7日 Ellora

起動グラフィック

前述のとおり、バージョン10までソフト起動時の画面は、サンドロ・ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」をモチーフにしたものでした。

私が初めて触ったイラレは学校のwindowsにインストールされていたver.10でした。10のヴィーナスは柔らかで明るい健康的な色味が美しく、大変親しみの持てるグラフィックでした。課題が辛い時も苦しい時もやるせない時もヴィーナスと共にあり、もはやヴィーナスは私たちグラフィック科生徒の仲間だと言われていた程です。しかしそんなある日、事件が起きました。

その日はいつも使用している実習室のパソコンを一斉メンテナンスするということで、いつものパソコンが使用できなかったのです。その間は、代わりにMacのイラレ8しかない実習室で作業せざるを得なくなりました。

その実習室は、窓が一つも無いのでいつ来ても薄暗い陰鬱な空間でした。こんな場所に長居したくは無いので早く終わらせて帰ろうと思い、古めかしいMacを起動させました。

すると起動直後に挨拶代わりと言わんばかりに訳の分からないエラーメッセージが表示されました。恐らく以前しようした人が強制終了等で不正な落とし方をしたせいと思われます。私には関係無いじゃん・・・といきなり気の滅入りました。しかもその時の効果音が赤ちゃんが小さく笑っているような『フフッ』って音なんです。windowsの『ドゥンッ!』に慣れている私にはそのエラー音が不気味にすら聞こえました。後から知ったのですが、そのMacはエラー音を変更できたそうです。「ちゅどーん」「チーン」「プップー」「アッオゥ!」など色々な音があったにもかかわらず不気味な「フフッ」を選んだ人間の気が知れません。

その古いMacはあらゆる処理中に無関係な箇所をクリックするだけでやたらとエラーメッセージが出ます。エラーメッセージを頻発させるとその都度『フフッ』『フフッ』『フフッ』と鳴り響くのです。なんだか気色が悪くて益々気が滅入ってきます。

その不気味さにおののきながらも私はとっとと課題を終わらせようとイラレ9のアイコンをダブルクリック…の筈が勢いあまってトリプルクリックしてしまいました。するとイラレの起動画面と共に『フフッ』『フフッ』『フフッ』『フフッ』『フフッ』『フフッ』とエラー音が何度も鳴り、止まらなくなってしまいました。皆さんはイラレ8の起動画面を見たことがありますか?10に比べて色味が暗いというか、顔色が悪く、グランジなテクスチャでお肌は荒れて見え、目の下が黒くて窶れて見えます。つまり怖いんです。お化けかと思いました。しかもPCが固まってしまったようで、その起動画面を表示されっぱなし且つ、エラー音を止める事もできないという最悪の状況に陥りました。

薄暗い陰鬱な部屋の中で、操作不能に陥ったMacから鳴り止まない赤ちゃんの笑い声、モニタには窶れたヴィーナスのうすら笑み。あまりの状況に耐えかねた私は思わず隣の実習室に居た先生に助けを求めました。こんなホラー体験初めてです。やっぱり私たちのヴィーナスはイラレ10です!

そんな思い出深い存在である『ヴィーナスの誕生』(ヴィーナスのたんじょう、伊: La Nascita di Venere、英: The Birth of Venus)は、ルネッサンス期のイタリアの画家サンドロ・ボッティチェリの作品で、キャンバス地に描かれたテンペラ画である。縦172.5cm、幅278.5cmの大作で、現在、フィレンツェのウフィッツィ美術館が所蔵し、展示しているそうです。

DTPのあれこれ

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